読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

生命の實相 第一巻より、口にする物と人間の関係

クリスチャン・サイエンスの開祖エディ夫人はヒ素のような毒薬を飲んでそれで人間が死ぬのはヒ素という物質の力が人間を殺すのではない。ヒ素を飲んだら死ぬという人類の信念が人間を殺すのだ、とまで極言しているのであります。「それなら毒殺せられる人や、毒と知らずに食物を食べて中毒するような人は、心でそれが毒だと信じないで死ぬではないか」とエディ夫人に反問した人がありました。するとエディ夫人は、「毒と知らずに食べた人やその周囲の数名は毒だと思わなかったかもしれないが、人類の大多数の腹の底に隠れている信念が、それを毒だと認めているから、大多数の人類の信念が合併して実に大きな信念となって、その信念の力によってそれが毒となって、それを飲む人を殺したので、物質そのものには決して人を殺す力などはないのだ」と答えたのであります。(中略)

それで、こういうことが解るのであります。物質がわれわれを治したり、殺したりするのは、第一、人間というものが「物質」ではなく「心」でできている生命であるということ。第二、物質というものは色や形や特有の性質をもっているように思われるけれども、ほんらいそんなものは無であること、すなわち「般若心経」にも説いてあるように物質の色声香味触法等の諸性質はすべて無であって、ただその背後に個人の信念、または人類の信念という「心」の作用が働いておって、この信念の力が人間という「心の生物」を治しもすれば殺しもするということであります。

つまり人間は物質という死物でないからこそ生き死にがあり、物質だと思っていたものも、その実は「信念」(ひろくいって「人類意識」jまたは「宇宙意識」)が仮に形をあらわしたものであるから、人間という心的存在に関係を持ちうるということになるのであります。それでわれわれは人間と薬との関係を、物質と物質との関係のように思っていたのが誤りであることがわかり、人間と薬との関係は「心」と「心」との関係、意識と意識との関係であることが覚られるのであります。